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Revitで自由な建物をモデリング

*google street viewより引用
Revitでは、四角形のマンションなど平坦な建物以外にも自由度の高い建築物を作成することができます。
この建築物を作成するには、Revitの「マス」機能を使用します。
今回の記事では、イギリスの首都ロンドンにある30セント・メリー・アクスを参考に外観の作成をしてみようと思います。

---- ここから、Revitの操作と画面になります。 ----

レベルを作成する。

プロジェクトを作成したら、まずはレベルを左の図のように作成します。
今回参考にした建物は最高の高さ180mなので、立面ビューを開き「建築」タブ→「基準面」パネル→「レベル」により高さ180mのレベルを追記します。

画像の挿入及びスケールを合わせる。

今回はあらかじめ作成した立面図の画像データをトレースする形で外観を作成します。実際に作成する場合は画像検索等で立面図を入手し同じ手順で作成をお願いします。
保存した画像データを「挿入」タブ→「読込」パネル→「イメージ読込」より挿入します。
レベル1の箇所に建物の最下部を合わせ、画像を選択し「修正/ラスターイメージ」タブ→「修正」パネル→スケールを使用し、レベル180mの位置まで建物の最高部が来るよう画像を拡大し、スケールを合わせます。その後「建築」タブ→「作業面」パネル→「参照面」で建物の垂直方向の中心に参照線を引きます。引く箇所は右の画像の赤線部分です。
参照線を引いたら、平面図ビューでレベル1の平面を開きます。
平面図ビューが開いたら、先ほど立面図ビューで描いた参照線が表示されているので、垂直に交差するように左の画像に赤く囲った箇所に参照線を引きます。
また、プロパティの「識別情報」の名前をYと入力をしておきます。

インプレイスマスの作成

参照線を引いたら、「マス&外構」タブ→「コンセプト マス」パネル→「インプレイスマス」で建物の形状を作成していきます。
マスの作成画面に切り替わったら、立面図ビューを開き、「作成」タブ→「描画」パネル→「モデル」の順に選択すると、作業面の選択画面が出てきますので、「名前」にチェックを入れ先ほど作成した参照線:Yを選択します。
すると、立面図の画像を挿入したビューに線分を書き込めるようになります。
あとは、スプラインや直線で挿入した建物画像の形状をトレースするようにモデル線分を記載していきます。
作成範囲は左の図の赤で着色した部分にモデル線分を作成します。
線分の中心を回転する方法で形状を作成したいので、回転軸として図の青の箇所にもモデル線分を引きます。
モデル線分を選択して、「修正/線分」タブ→「フォーム」パネル→「フォームを作成」→「ソリッド作成」を選択すると建物の形状ができあがります。3Dビューを開き確認してみましょう。

サーフェスの分解

続いて作成した建物形状に模様を付けます。
作成したフォームを選択して、「修正/フォーム」タブ→「分割」パネル→「サーフェスを分解」で形状はひし形を選択します。ひし形の間隔や分割の基準は「プロパティパレット」→「Vグリッド」「Uグリッド」グループより縦方向、横方向の間隔をそれぞれ変更できます。
続いて、分割したサーフェスにユーザーが作成したパターンを挿入し、建物の構造を作成します。

パターンの作成

パターンを作成するにはまず、「ファイル」タブ→「新規作成」→「ファミリ」→「一般モデル(メートル単位)、パターン ベース.rft」を開き新規でファミリを作成していきます。
ファミリ作成の画面が開いたら、青色のグリッドをクリックして、タイルパターングリッドをひし形に変更します。変更が終わったら、左の図のように表示されます。
新規でファミリを作成する際に既に四辺からなる参照線と1から4のアダプティブポイントがあります。
ファミリもマス同様にモデル線分でユーザーが自由に形状を作成できます。既存の参照線とは別に参照点と参照線を作成していきます。
まずは、「描画」パネル→「参照」→「点要素」を選択し、そのあと「作業面」パネル→「セット」をクリックします。
次に右の画像の赤く囲ったアダプティブポイントを選択し1の点を選択します。この作業をあと2から4の点に対しても行います。
参照点を4点追加出来たら、作成した参照点をすべて任意の位置に下へ移動します。
移動したすべての参照点を選択し、「プロパティパレット」→「寸法」グループ→「オフセット」の「ファミリパラメータの関連付け」(左の図面赤い丸範囲)をクリックし、「新しいパラメータ」(左の図面の赤い四角範囲)を押し、名前を「H」とします。
この設定をすることにより、「プロパティ」パネル→「ファミリタイプ」より4つの参照点を同時に高さの変更ができます。
次に先ほど作成した参照点を、「描画」パネル→「複数の点を通るスプライン」で2点ごとに線分で繋いでいきます。
繋いだら、作成された線分を選択し、「プロパティパレット」→「識別情報」グループの「参照線」にチェックを入れます。
続いて、先ほど作成した参照線に内接するフォームを作成していきます。
「描画」パネル→「モデル」→「内接するポリゴン」を選択し、そのあと「作業面」パネル→「セット」を選択し参照線の側面を選択した後、参照点に内接するひし形のモデル線分を記載します。
本記事では半径は500mmと設定します。 記入したら、モデル線分と参照線をすべて選択し、「フォーム」パネル→「フォームを作成」→「ソリッド作成」によりフォームを作成します。
フォームが作成されたのを確認出来たら「プロパティ」パネル→「ファミリタイプ」より先ほど設定したパラメータ「H」の高さを-500mmに変更します。
すると、右の画像のような形状が完成します。
作成後、「ファミリエディタ」タイプ→「プロジェクトにロード」又は「プロジェクトにロードして閉じる」で建物の形状を作成したプロジェクトに挿入します。
サーフィス分解をしたフォームの「プロパティパレット」を確認すると、ひし形の欄に作成したファミリが追加されています。
作成したファミリを選択すると、分割したサーフェスの形状に沿って自動で形状を調節し左の図の様に反映されます。
これでおおよその建物の構造形状は作成出来ました。今までのインプレイスマスを作成しサーフェスを分解し、ファミリを作成しロードして同じプロジェクト内で行い、今作成した構造躯体の外側にひし形の窓を作成します。
ひし形窓は、右の図の様に作成します。作成は一つのファミリ内に窓枠とガラス部分をそれぞれ作成します。
マテリアルは「プロパティパレット」→「マテリアルと仕上」グループより変更をしておきましょう。
窓を作成し、サーフェスに挿入をすると左の図の様に大体の建物外観が完成しました。
あとは、各階のレベルを作成しマス床等で床を作成し、外観を整え間取りを作成して整えて行きます。今回は建物の外観形状の作成の説明となる為、作業工程は省きます。
※本記事で作成した建物はあくまで参考ベースです参考にした建物と実際には異なります。
*レンダリング後外観
*レンダリング後外観
*レンダリング後内観
*レンダリング後内観
作成者:建設DX部河﨑 優太 
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