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Revitで配管のモデリング

今までの記事では、Revitで建物の意匠モデリングを行ってきましたが、設備機器のモデリングに関しましては説明をしていませんでした。

今回の記事では主に衛生設備の配管にスポットを当てて、前回作成をした木造住宅にモデリングをしていきます。

---- ここから、Revitの操作と画面になります。 ----

設備機器の配置準備。

設備や構造のモデリングはそれぞれの専用テンプレートを開き意匠モデルをロードしてモデリングする方法もありますが今回はすでに意匠用のテンプレートで建物をモデリングしたデータにファミリをロードして作成していきます。
使用したテンプレートによっては配管や配管接手、衛生機器などの設備モデリングに必要なファミリがテンプレート内に入っていなく、設備ファミリをロードする必要があります。
まず設備のモデリングを行いたい意匠モデルのデータをRevitで開きます。
「ファイル」タブの「新規作成」を押下し「プロジェクト」で新しくプロジェクトを開きます。
テンプレートはまずRevitの標準テンプレートの「給排水衛生設備テンプレート」を選択してOKを押下し開きます。
プロジェクトが開いたら「意匠モデル」を開いた状態で、「管理」タブの「設定」グループ内「プロジェクト標準を転送」を押下して先ほど開いた新規プロジェクトより転送したい項目にチェックを入れてOKを押下して転送します。
今回はすべての項目にチェックを入れてOKを押下します。
実行すると、左の図のように転送する側にタイプの異なった内容で存在する場合警告文が出ますが情報を「上書き」するか新規の情報のみを入れたい場合は「新規のみ」を押下します。
今回は「新規のみ」で進めます。
転送が完了すると、意匠テンプレートに入っていなかった配管接手のファミリなどが入りました。
確認したい場合は、「設備」タブの「給排水衛生設備および配管」をクリックして継手等が入っているか確認します。
転送用に開いた新規プロジェクトは保存せず閉じて大丈夫です。空調に関しても同様の手順で「設備テンプレート」や「機械テンプレート」を使用し新規プロジェクトを開き転送します。
その他設備のモデリングで不足しているファミリがある場合は各種メーカーのホームページやBIMオブジェクトでファミリをダウンロードするか、「挿入」タブの「ライブラリからロード」内「Autodeskファミリをロード」にて必要なファミリをロードします。

衛生機器のファミリの配置。

必要なファミリの準備が整いましたら、トイレや洗面、キッチン等の設備ファミリを置いていきます。
前回の記事でファミリは設置をしていますが、コネクタ要素が無いファミリがある場合は、コネクタ要素が設定されているファミリを置きなおします。

配管用ビューの作成。

衛生機器の配置が完了したら、配管のモデリングがしやすいように配管用のビューを作成します。
「プロジェクトブラウザ」内の「作業用1階平面図」を右クリックし「複製」をクリックします。ビューが複製されたら分かりやすく名前を変え、ビューのプロパティを変更していきます。
「プロパティ」の「識別情報」内の「ビューテンプレート」を開き「専門分野」を「給排水衛生設備」にしてビューテンプレートの名前は「給排水衛生設備配管図」を選択します。
また「ビュー範囲」を床下の配管も確認できるように図の様に設定をしてOKを押下し設定を完了します。すると衛生設備以外の要素が薄く表示されて選択ができなくなり、衛生機器のみが確認と選択がしやすくなります。
続いて3Dビューも配管用のものを新たに作成します。「プロジェクトブラウザ」内の「3D」を平面図同様の手順で複製し名前を分かりやすく変更します。複製した3Dビューの「プロジェクトブラウザ」内の「専門分野」を「給排水衛生設備」に変更します。
すると、左の図のように先ほど作成した配管用平面図同様に機器以外の要素が薄く表示された3Dビューが作成できました。
ここまで設定が完了したら配管の作成に移ります。

配管システムグループの作成。

続いては排水、給水等の配管システムごとにグループを分けて行きます。今回は浴室周りを参考に作成してみます。
まず、浴室周辺の配管を作成しやすいように先ほど作成した配管用3Dビューで浴槽の周辺を「切断ボックス」を用いて表示をします。
続いて浴槽と排水口を、tabキーを押しながら複数選択をします。
すると、「修正/複数選択」タブに「配管」というものがあります。
クリックすると「配管システムを作成」という画面が出ます。「システムタイプ」欄をクリックすると、サニタリー、衛生、その他と出ます。
システムタイプに表示されるこれらは、先ほど複数選択したファミリが持つコネクタ要素となります。
試しに「サニタリー」を選択して、名前は「浴室排水」としてOKを押下します。
作成したシステムタイプは「表示」タブの「ユーザーインターフェース」内の「システムブラウザ」にチェックを入れると、作成したシステムタイプを一覧で確認できます。
システムブラウザ内で先ほど作成した「浴槽排水」をクリックすると左の図のように浴槽と排水溝が青くなります。
この状態で「修正/配管システム」内の「レイアウトを作成」をクリックすると、先ほど作成した「浴室排水」の配管の接続ルートが右の図のように自動で作成されます。

次に「設定」をクリックします。この画面では配管タイプの変更や配管の高さを設定します。

今回は右の図のように配管タイプをそのままプラスチックとして、オフセット高さを本管と枝管それぞれ-500としてOKを押下します。
続いて、配管用の1階平面図を開き、「基準点を配置」にて排水本管に接続する為の配管の位置を左の図内の赤枠の箇所にクリックで設定します。
基準点を設定したら、左の図のようにオフセットを-500、直径を100mmに設定をします。
続いて配管の経路を「パターン」内「パターンタイプ」より「ネットワーク」「周長」「交点」のいずれかを選び、計画したい配管経路を、矢印をクリックしていき変更します。
「ネットワーク」はRevitが自動で考えた最適な経路を、「周長」は配管の長さが最短となる経路を、「交点」は配管の交点が少なくなる経路を選べます。
今回は右図の赤枠のように「ネットワーク」を選択して図の様な経路を選択してみます。一通り設定が完了したら、「レイアウト」を終了で完了します。
すると左の図のように配管及び配管接手が配置されました。あとは計画に合わせて移動や配管の太さなどの変更を行います。
同様の手順で給湯、給水の配管の接続を行い計画に合わせて手動で配管位置を整えて完了です。
作成者:建設DX部河﨑 優太 
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