PLATEAUビジョン2026とは?3D都市モデルの社会実装とBIMへの影響を分かりやすく解説
こんにちは。
第31回は、「PLATEAUビジョン2026とは?3D都市モデルの社会実装とBIMへの影響を分かりやすく解説」です。
今回は、国土交通省が2026年7月17日に公表した「PLATEAUビジョン2026」についてご紹介します。
国土交通省が推進する「Project PLATEAU(プラトー)」では、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化が進められています。
2020年に始まったPLATEAUは、これまで3D都市モデルの整備やさまざまな分野での実証・ユースケース開発を進めてきました。
そして今回公表された「PLATEAUビジョン2026」では、これまでの取り組みをさらに発展させ、3D都市モデルを実際の社会やビジネスの中で継続的に活用していく「社会実装」が重要なテーマとして示されています。国土交通省によると、2025年度末時点で329都市に3D都市モデルが整備されています。
本記事では、PLATEAUビジョン2026の概要や3つの重要項目、今後の3D都市モデル活用について、BIMとの関係にも触れながら分かりやすく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

| Agenda 1. PLATEAUとは 2. PLATEAUビジョン2026とは 3. PLATEAUビジョン2026の3つの重要項目 4. PLATEAUとBIMの関係 5. PLATEAUの今後と建設業界への影響 6. まとめ |
1.PLATEAUとは
PLATEAU(プラトー)は、国土交通省が推進する、日本全国の都市デジタルツイン実現に向けたプロジェクトです。
都市の建物や道路などを3次元で表現した「3D都市モデル」を整備し、さまざまなデータと組み合わせることで、都市の課題解決や新たな価値の創出を目指しています。
PLATEAUで整備された3D都市モデルはオープンデータとして公開されており、誰でも利用することができます。
例えば、3D都市モデルを活用することで、
・都市の景観を3Dで可視化する
・災害リスクを3D空間上で確認する
・まちづくりのシミュレーションを行う
・人流や交通などのデータを重ねて分析する
・建物や都市空間をデジタル上で確認する
といった活用が可能です。
このようにPLATEAUは、単に建物を3D化する取り組みではなく、都市に関するさまざまな情報をデジタル空間上で扱い、都市の課題解決や新しいサービスにつなげるための基盤として位置付けられています。

2.PLATEAUビジョン2026とは
「PLATEAUビジョン2026」は、国土交通省が2026年7月17日に公表した、Project PLATEAUの今後の方向性を示す中長期的なビジョンです。
PLATEAUでは2020年の取り組み開始以降、3D都市モデルの整備やさまざまなユースケースの開発が進められてきました。
2025年度末時点では、329都市において3D都市モデルが整備され、まちづくりや防災などを中心に活用が進んでいます。
一方で、今後さらにPLATEAUを発展させるためには、3D都市モデルを整備するだけではなく、より多くの自治体や企業などが利用し、都市政策や日常的なサービスの中で継続的に活用される環境を作ることが重要になります。
そこでPLATEAUビジョン2026では、「データを整備する」だけではなく、「実際に使われ続ける」3D都市モデルへという方向性がより明確になっています。
国土交通省は、今後の取り組みにおける重要項目として、次の3つを掲げています。
1.データ整備・更新の効率化
2.サービス実装の更なる推進
3.国外への都市デジタルツイン展開
それぞれについて見ていきます。
3.PLATEAUビジョン2026の3つの重要項目
① データ整備・更新の効率化
1つ目は、3D都市モデルの整備や更新をより効率的に行うことです。
3D都市モデルを継続的に活用するためには、都市の変化に合わせてデータを更新していく必要があります。
そこでPLATEAUビジョン2026では、データ整備・更新の効率化が重要なテーマとして位置付けられています。
その取り組みの一つとして、衛星画像やAIを活用し、3D都市モデルを自動生成したり、テクスチャを自動で付与したりする技術開発が進められています。
AIなどの技術を活用してモデル整備の効率化・低コスト化を図ることで、3D都市モデルを継続的に整備・更新しやすい環境を目指しています。
② サービス実装の更なる推進
2つ目は、3D都市モデルを実際のサービスとして活用していくことです。
これまでのPLATEAUでは、3D都市モデルの可能性を検証するため、さまざまな分野で実証実験やユースケース開発が行われてきました。
今後はそこからさらに一歩進み、「3D都市モデルで何ができるか」から「3D都市モデルを使って実際に何をするか」という段階へ移行していくことが重要になります。
例えば、
・都市開発やまちづくり
・防災・減災
・モビリティ
・観光
・環境・エネルギー
・建築・不動産
など、さまざまな分野で3D都市モデルを活用したサービスが考えられます。
PLATEAUでは、3D都市モデルとBIMモデルを組み合わせた活用事例も進められており、建築物単体の情報と都市全体の情報を連携させることで、より広い範囲でのデジタル活用が期待されています。
③ 国外への都市デジタルツイン展開
3つ目は、国外への都市デジタルツイン展開です。
PLATEAUで蓄積してきた3D都市モデルの整備・活用に関する技術やノウハウを、日本国内だけではなく海外にも展開していくことが重要項目として位置付けられています。
都市のデジタル化やスマートシティへの取り組みは世界各国で進められているため、今後は日本で培われた3D都市モデルやデジタルツインに関する技術・知見が、海外の都市開発などにも活用されていく可能性があります。
出典:国土交通省PLATEAUウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/plateau/vision/)
4.PLATEAUとBIMの関係
PLATEAUの今後を考えるうえで、建設業界にとって特に注目したいのがBIMとの連携です。
PLATEAUの3D都市モデルは、都市全体をデジタル空間上に表現するためのデータです。
一方、BIMは建物の形状だけでなく、建築物に関するさまざまな情報を持ったデジタルモデルです。
つまり、
PLATEAU=都市・街のデジタルモデル
BIM=建物のデジタルモデル
と考えると分かりやすいでしょう。
この2つを組み合わせることで、「建物単体」から「建物+周辺都市環境」へと、より広い範囲でデジタルデータを活用できるようになります。
実際にPLATEAUでは、BIMを活用して3D都市モデルに屋内モデルを統合するためのマニュアルが公開されています。

※国土交通省PLATEAUウェブサイトから一部抜粋(https://www.mlit.go.jp/plateau/libraries/handbooks/)
また、3D都市モデルをBIM形式であるIFCなどへ変換するためのデータ変換マニュアルも公開されており、3D都市モデルとBIMを連携させるための技術的な環境整備も進められています。
今後、PLATEAUの社会実装が進んでいけば、BIMと3D都市モデルを組み合わせた新しい活用方法がさらに広がることが期待されます。
出典:国土交通省PLATEAUウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/plateau/libraries/handbooks/)
5. PLATEAUの今後と建設業界への影響
PLATEAUビジョン2026で特に注目したいのは、3D都市モデルが「実証・検証するためのデータ」から、実際の業務やサービスの中で継続的に利用されるデータへ変化していくことです。
これは建設・BIM業界にとっても大きな変化になる可能性があります。
例えば、建物を設計する際に周辺の建物や道路などの3D都市モデルを組み合わせることで、都市スケールでの検討がしやすくなります。
また、BIMモデルと3D都市モデルを連携させることで、
・周辺建物との位置関係の確認
・景観や日照などのシミュレーション
・都市開発計画の検討
・建物と周辺環境の3D可視化
・防災・避難計画の検討
など、建物単体のBIMだけでは難しかった検討につなげられる可能性があります。
さらに、PLATEAUでは2026年3月に「3D都市モデル整備のためのBIM活用マニュアル」や「3D都市モデルのデータ変換マニュアル」などの資料が公開・更新されています。BIMと3D都市モデルをつなぐための技術的な環境も整備されつつあります。
そのため今後は、BIMモデルを作成するだけではなく、さまざまな3Dデータと連携して活用することも重要になっていくと考えられます。
6.まとめ
今回は、国土交通省が2026年7月17日に公表した「PLATEAUビジョン2026」についてご紹介しました。
PLATEAUは2020年の取り組み開始以降、全国の3D都市モデルの整備やさまざまなユースケースの開発を進めてきました。
そして今回のPLATEAUビジョン2026では、
① データ整備・更新の効率化
② サービス実装の更なる推進
③ 国外への都市デジタルツイン展開
の3つが重要項目として掲げられています。
特に注目したいのが、3D都市モデルを「作って終わり」にするのではなく、実際の都市政策やサービス、ビジネスの中で継続的に活用していくという方向性です。
今後、PLATEAUの社会実装が進むことで、3D都市モデルの活用範囲はさらに広がっていくことが期待されます。
また、BIMとの連携も進むことで、建物単体のデジタル化から、建物と都市をつなげたより広い範囲でのデジタル活用へ発展していく可能性があります。
BIMや3Dモデルを活用した業務の効率化・高度化をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
それでは、次回のブログでお会いしましょう。

株式会社ブリエの営業女子。前職は金融機関に勤めており、IT業界へ転職。建設業界や製造業界を中心にDXを浸透させるため毎日奮闘中。

