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DX推進のためのインフラ分野のDXアクションプラン(国土交通省)

国土交通省では、2022年3月に「インフラ分野のDXアクションプラン」を発表しDX推進のために大きく3つの柱をとした。
  1. 行政手続きのデジタル化:紙からWEBへのペーパーレス化、手続きの簡易化しシステム上で一元に処理
  2. 情報の高度化とその活用:性格でリアルな情報共有を行う。3次元データ(BIM/CIM)の流通、XR,WEB会議システムの活用
  3. 現場作業の遠隔化・自動化・自律化:建設業の現場における各種作業の遠隔化・自動化・自律化に係る技術標準化、開発環境プラットフォームの整備
この「インフラ分野のDXアクションプラン」は、国交省が主導し建設業界にも大きく影響を与えるものとなっており、民間企業も検討会議に参画したり、実際に検証したりする機会もあり、国が主導するDXであると言えます。

個別の施策

第5回国土交通省インフラ文化のDX推進本部 配布資料 資料1-2 インフラ分野のDXアクションプラン(案)(個別施策)から引用

1.行政手続きのデジタル化

No 個別施策名 担当部局
1-1 物流生産性の向上のための特殊車両の新たな通行制度等
  • 特殊車両の通行許可手続きが、約1ケ月から即時対応へスピード化
道路局
1-2 河川の利用等に関する手続きのデジタル化による国民の利便性向上
  • 紙による申請手続きからオンライン化へ
  • オンラインにより、24時間受付可能へ
水管理・国土保全局
1-3 サイバーポート(港湾インフラ)の構築による港湾物流の効率化
  • 港湾物流、港湾施設、施設情報(港湾工事、港湾施設)に関して紙からオンライン化へ
  • 各種データを電子データで一元管理化
港湾局
1-4 高速道路等の利便性向上
  • ETCによるタッチレス決済(ファーストフード店のドライブスルー、駐車場での利用)
  • ETCのマイナンバーカードを活用した割引手続き効率化
1-5 建設業許可等申請手続きの電子化による行政手続きの効率化 不動産・建設経済局

2. 情報の高度化とその活用

No 個別施策名 担当部局
2-1 水害等リスク情報のわかりやすい3次元表示の推進 水管理・国土保全局
2-2 水予測の高度化による災害対応や避難行動等の支援
  • 洪水予報、3時間先が6時間先まで予報可能へ
  • これまで予報がでなかった中小河川へ適用拡大
2-3 情報集約の高度化による災害対応の迅速化
  • 防災ヘリの映像等から親水範囲。土砂崩壊部をリアルタイムで解析、被害全容把握
  • 被災現場の高精細な画像、3次元データ等のリアルタイムで共有化
  • DXルーム(遠隔対応拠点)の整備
2-4 河川、砂防、海岸分野における防災情報等の高度化
  • 利水ダムのネットワーク化(効率的な事前放流)
  • 総規模河川の水害リスク情報空白域を解消
2-5 官民連携による流域の浸水状況把握・解消
2-6 3次元データを活用した災害復旧事業の迅速化
2-7 マイ・タイムラインとスマートフォンなどデジタル技術の融合による避難行動支援
2-8 港湾における災害情報収集等に関する対策
  • ドローン等を活用した災害関連情報等の収集・集積の高度化
港湾局
2-9 マルチビームデータクラウド処理システムの構築
  • 3次元測深データをクラウド化
  • クラウドでノイズ除去
2-10 港湾整備BIM/CIMクラウドの構築
  • クラウド上で3次元データを共有・統合
2-11 道路分野におけるデータプラットフォームの構築と多方面への活用
  • AI技術等の勝下データ収集・データ統合
  • デジタル化による作業の省人化・効率化
  • ICT施工の推進
道路局
2-12 人流データの利活用拡大のための流通環境整備
  • 人流データ(センサー・カメラ・ICカード・基地局等)の計測・活用
  • 新たなサービスの創出
不動産・建設経済局
2-13 3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化の推進(Project PLATEAU)
  • 3D都市モデル構築
  • 多種多様なデータと連携し、シミュレーション・モニタリング
都市局
2-14 DXデータセンターの構築 国土技術政策総合研究所
2-15 公共工事執行情報の管理・活用のためのプラットフォーム構築に係る調査研究
  • システム間のKEYコード一元管理
  • 公共工事執行の作業効率化・生産性向上
2-16 建設事業各段階のDXによる抜本的な労働生産性向上に関する技術開発
  • BIM・CIMの活用
  • 建設事業各段階の抜本的な生産性向上、施工段階での安全性向上
2-17 施設の維持管理及び行政事務データの管理効率化に関する調査
  • 点検データの収集
  • 行政事務の自動化
2-18 官庁営繕事業におけるBIM活用による設計・施工の効率化
  • BIM活用により受発注者共に設計・施工の効率化・生産性向上
官庁営繕部
2-19 国土交通データプラットフォームの構築
  • 同一プラットフォーム上で表示・検索等を可能へ
官房技術調査課
2-20 工事書類のデジタル化に向けた検討
  • ICT技術を活用した測定(TLS,UAV)
2-21 インフラDXネットワークの整備
  • 高速・大容量ネットワーク構築
2-22 BIM/CIM活用による建設生産システムの効率化・高度化
  • BIM・CIMによる干渉チェック作業の効率化
  • 3Dモデルからの自動数量算出
  • 詳細設計でBIM/CIM原則適用
2-23 バーチャル現場見学会による効果的・効率的な広報 道路局、水道局

3. 現場作業の遠隔化・自動化・自律化

No 個別施策名 担当部局
3-1 デジタルデータを活用した配筋確認の省力化
  • ウェアラブルデバイス等による双方向通信によるデータ確認
  • 遠隔での監督員の確認
官房技術調査課
3-2 大学等とのオープンイノベーションによる技術研究開発の促進
  • “みちびき”の活用(公共通信網不感地帯での活用)
  • LPWAによるデータ通信
3-3 自律施工技術基盤の整備
  • VRによる遠隔操作
  • 新規就業者の確保
土木研究所
3-4 遠隔による災害時の技術支援
3-5 建設DX実験フィールドを活用した基準整備・研究開発の推進
  • ウェアラブル、タブレット等のICT技術
  • モーションセンサーで技能の見える化
国土技術政策総合研究所
3-6 デジタル化・リモート化のための位置情報の共通ルール(国家座標)の推進
  • 統一座標での管理(ICT施工等に貢献)
  • 地殻変動補正システム
国土地理院
3-7 衛星測位を活用した高精度の遠隔操作・自動化水中施工システムの開発 港湾局
3-8 5Gを活用した無人化施工による災害復旧の迅速化
  • 大容量、低遅延、同時多数接続に対応
水管理・国土保全局
3-9,10,11 河川、砂防、海岸分野における施設維持管理・操作の高度化・効率化(河川)
  • 航空機等から3D点群データを取得し活用
  • 河川管理施設の遠隔化
3-12 下水道のデジタルトランスフォーメーション
  • 遠隔制御による複数施設の共同管理
3-13 危機管理型水門管理システムの開発
  • 施室管理の高度化(広域的な施設監視、遠隔操作)
  • LPWA活用
総合政策局公共事業企画調整課
3-14 建設施工における自動化、自律化の促進
  • AIによる建設機械の自動化・自律化
  • 5Gによる遠隔操作の実現(大容量のデータ通信と高速化)
3-15 AI・ロボット等革新的技術のインフラ分野への導入
3-16 建設施工における人間拡張に係る技術開発・導入の促進
  • パワーアシストスーツによる施工
  • 身体負荷軽減
3-17 AI・ICT・新技術の導入による道路の点検・維持管理の高度化・効率化
  • コンクリートの損傷・変状の自動抽出、判断
道路局
3-18 3次元点群データを用いた鉄道施設点検システムの開発
  • レーザーによる3D点群データ取得
  • データから確認作業を日中帯に実施
鉄道局
3-19 ITやセンシング技術等を活用したホーム転落防止技術等の活用促進
  • 駅ホームの転落防止(改札でのAIカメラで自動認識&連携)
  • 点字ブロックからQRコード読み取り音声案内連動
3-20 鉄道における自動運転技術の検討
  • 一般鉄道における自動運転の導入
  • 免許を持たない係員による列車運行実施
3-21 空港管理車両による簡易舗装点検システム
  • 舗装点検をシステム化
  • 路面状態の簡易な計測・記録、データ分析
航空局
3-22 空港における草刈工の自動化施工
  • 無人大型草刈機による作業の省人化
3-23 空港除雪の省力化・自動化
  • 自車位置測定装置等(GPS)による作業の省力化(2名体制→1名体制へ)
3-24 除雪現場の生産性・安全性向上「i-Snow」
  • 機械操作の自動化(2名体制→1名体制へ)
  • 吹雪時にも映像鮮明化技術により視界を確保
北海道局
3-25 堤防除草の自動化~SMART-Grass~
  • 自動運転化
  • 出来高の自動計測

参考記事はこちら

技術調査:第5回国土交通省インフラ分野のDX推進本部 – 国土交通省