ArchicadとRevitの違いについて 比較・選び方を徹底解説!
こんにちは。
第18回は、「 ArchicadとRevitの違いについて 比較・選び方を徹底解説! 」です。
BIM(Building Information Modeling)ソフトの代表格といえば「Archicad」と「Revit」。
建築設計や施工管理にBIMを取り入れる企業が増える中、どちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ArchicadとRevitの違いや比較、選定時のポイントをわかりやすく解説します。
是非最後までご覧ください。
Agenda 1. ArchicadとRevitの違いについて 2. ArchicadとRevitの比較(価格・機能・拡張性) 3. 選択時の注意点 4. まとめ |
1. ArchicadとRevitの違いについて
まずは、ArchicadとRevitの違いについてご紹介いたします。
■ Archicadとは
Graphisoft社が開発したBIMソフト。1980年代から存在し、建築設計に特化した直感的な操作性が特徴です。CADと同じレイヤ(画層)を持っているため、設計者にとって使いやすいことから支持されています。
■ Revitとは
Autodesk社が開発したBIMプラットフォームで、建築設計だけでなく、構造設計・設備設計・施工計画まで網羅しているソフト。Autodesk製品との連携が強く、特にゼネコンや大規模プロジェクトで採用される傾向があります。
■ 主な違い
項目 | Archicad | Revit |
---|---|---|
開発元 | Graphisoft | Autodesk |
主な用途 | 建築設計 | 建築・構造・設備など幅広く対応 |
UI/操作性 | 直感的・軽快 | 多機能でやや複雑 |

2.ArchicadとRevitの比較(価格・機能・拡張性)
次に、それぞれのソフトの価格・機能・拡張性を比較します。
■ 価格
項目 | Archicad | Revit |
---|---|---|
価格帯(1年)※2025現在 | Archicad Collaborate:420,000円 Archicad Studio:357,000円 | Revit:468,600円 Revit LT:86,900円 |
価格帯(1ヶ月)※2025現在 | Archicad Collaborate:60,000円 Archicad Studio:51,000円 | Revit:59,400円 Revit LT:11,000円 |
※詳細は、各社サイトをご覧ください。
・Archicad 価格 参考ページ:https://graphisoft.com/jp/subscription-pricelist-2025
・Revit 価格 参考ページ:https://www.autodesk.com/jp/products/revit/overview
https://www.autodesk.com/jp/products/revit-lt/overview
■ 機能比較
項目 | Archicad | Revit |
---|---|---|
モデリング | 建築中心の操作性、直感的な作図が可能 | 建築・構造・設備を統合的にモデリングが可能 |
ファミリ・オブジェクト管理 | GDLオブジェクト(独自スクリプト)による柔軟なパーツ作成が可能 | ファミリで細かくパーツ管理ができ、インプレイスファミリで柔軟なパーツ作成が可能 |
図面作成 | モデルと図面が連動、自動生成も簡単 | 多機能で制御性は高いが、操作は複雑 |
レンダリング | 内蔵レンダラーありTwinmotionとの連携が強い | Revit自体のレンダリングは簡易的で、Enscape・Lumion・3dsMaxとの連携が一般的 |
ポイント💡
Archicadは設計者目線で使いやすく、図面化もスムーズです。一方Revitはより高度なパラメトリック設計やファミリ管理が可能で、設計以外のエンジニアリングとの連携に優れています。
■ ArchicadとRevitの拡張性・連携比較
項目 | Archicad | Revit |
---|---|---|
パラメトリック連携 | Grasshopper(Rhinoceros)と 直接連携可能 | Dynamoで視覚的プログラミングが可能 |
クラウド連携 | BIMcloud(Graphisoft独自クラウド)対応 | Autodesk Construction Cloud(BIM 360)との高度な統合 |
他ソフトとの連携 | SketchUp、Rhino、IFC、DWGなどと連携可能(設計寄り) | AutoCAD、Navisworks、Civil 3Dなどと密接に統合(施工・構造寄り) |
拡張プラグイン | 比較的少数で、設計業務向けに限定されがち | Autodesk公式・サードパーティ製を含め多数のアドインが存在 |
カスタマイズの自由度 | 設計志向でやや限定的 | 施工、構造、データ連携や自動化など対応可能で柔軟性が高い |
ポイント💡
Archicadは設計志向の連携、Revitはエンジニアリング・施工管理まで見据えた拡張性といえるでしょう。
■ カスタマイズ性だけで見た場合の選定の目安
目的 | 向いているソフト |
---|---|
ノーコード/ローコードで自動化したい | Revit(Dynamo) |
設計パーツを細かく定義・制御したい | Archicad(GDL) |
開発チームで独自ツールを構築したい | Revit(C#/.NET(Revit API)) |
設計業務の中だけで完結する自動化がしたい | Archicad(Python/GDL) |
施工や他分野との連携も視野に入れている | Revit(API+Autodesk Platform Services) |

3.選択時の注意点
実際にArchicadかRevitか選ぶ際にどんなことを注意しなければならないのか、代表的な注意点を3点ご紹介します。
■ 社内体制と業務内容を見極める
・建築設計が中心 → Archicadのシンプルな操作性が合う場合が多い
・構造・設備も扱う or 大規模プロジェクト → Revitの多機能性が活きる
■ 将来の拡張や協業を見据える
・外部とのデータ連携(IFC、BIM 360など)を重視するなら、どちらが相性が良いかを確認しておくことが重要です。
■ 操作習熟にかかるコスト
・Archicadは比較的短期間で習得が可能です。
・Revitは機能が多いため、社内トレーニング体制を整えることが前提になることもあります。

4.まとめ
ArchicadとRevitは、それぞれに強みと特徴があります。
Archicadは建築設計に集中したい設計事務所におすすめで、Revitは構造や設備も含めたBIM統合を目指す企業に適しています。
BIMソフトの選定は、業務内容・社内体制・今後の展開を踏まえて慎重に行うことが重要です。
どちらを選ぶにしても、最初の導入と教育体制が成功の鍵を握るため、導入時にBIMの知見がある会社に相談するのも一つの手です。
お悩みの方は、弊社へお気軽にご相談ください。
それでは次回のブログでお会いしましょう。

株式会社ブリエの営業女子。前職は金融機関に勤めており、IT業界へ転職。建設業界や製造業界を中心にDXを浸透させるため毎日奮闘中。