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近づくBIM確認申請と課題・対策について

こんにちは。

第12回は、「近づくBIM確認申請と課題・対策について」です。

国土交通省は2025年にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)確認申請を試行すると宣言しました。今までBIMを導入していない企業にとっては、準備が必要な話題かと思います。
今回は、BIM確認申請について説明いたします。

Agenda

1. BIM確認申請とは
2. 現時点での課題
3. 対策について
4. まとめ

1. BIM確認申請とは

BIM確認申請は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを用いた建築物の確認申請手続きを指します。
国土交通省は、データを用いた確認申請を2025年度から試行し、2027年度にはBIM確認申請を全国展開することを目指しています。
具体的には、2025年度からICFデータ※と2D図面(PDF)の提出が開始します。

※IFCデータとは
IFCとは、BIMデータを共有するために使われているファイル形式

参照:国土交通省「建築BIMの将来像と工程表の改定(増補)について」

BIM確認申請が進むことで、下記のようなメリットがあります。

①正確な情報の一元管理
BIMを使用することで、建物に関するすべての情報がデジタルモデルに集約されます。これにより、設計、施工、維持管理に関する情報が一貫して正確に管理され、情報の不一致や漏れが減少します。

②申請手続きの効率化
従来の2D図面に比べ、BIMモデルは設計内容を視覚的に分かりやすく、行政機関の担当者が設計内容を迅速に理解できるため、確認申請の手続きがスムーズになります。

③設計・施工のミス削減
BIMモデルには設計の詳細情報が含まれているため、設計段階でのミスや施工上の問題点を事前に発見しやすくなります。これにより、後から発生する修正作業が減り、工期やコストの削減につながります。

④コミュニケーションの改善
BIMを使用することで、設計者、施工者、クライアント、行政機関など、プロジェクトに関わるすべての関係者が同じ情報にアクセスでき、意思疎通が円滑になります。これにより、プロジェクトの進行が効率化されます。

⑤コストや時間の削減
BIMによる確認作業や、エラーの早期発見による修正作業の削減が、全体のコストと時間の削減につながります。また、正確なモデルを基にした施工計画により、現場での手戻り作業が減少し、プロジェクト全体の効率が向上します。

⑥長期的な運用管理
BIMモデルは、建物の竣工後も維持管理や運用に利用できるため、ライフサイクル全体を通じてコストの最適化や効率的な管理が可能になります。

2.現時点での課題

まだまだ課題は幾つもありますが、大きな課題はBIM導入による課題です。

まず初めに、ソフトウェアやサーバーインフラ・データといった設備面で導入・維持コストが必要となります。ソフトウェアのライセンス費用やアップデート、サポートサービスの維持費が継続的にかかるため、運用・保守にかかるコストが負担となります。また、ソフトウェアの更新や新しい技術への対応が求められるたびに、追加の投資が必要になる場合があります。
また、BIMを使用するには専門知識と技術スキルを持った人材が必要不可欠ですが、中小企業ではそのような専門人材の確保が難しく、既存の社員に新たなスキルを習得させるための教育やトレーニングにも多くの時間と費用がかかります。
これらの要因により、BIM確認申請の導入は中小企業にとって大きなチャレンジとなることが多く、そのための準備や支援が重要です。

3.対策について

課題をいくつかご説明いたしましたが、対策もあります。なにかと時間と費用がかかるため、下記3点の対策を検討することをおすすめします。

①段階的な導入
一度にすべての業務をBIMに移行するのではなく、特定の業務やプロジェクトから段階的に導入して、徐々に複雑さに慣れていく。

②外注先の利用
BIM導入サービスやBIMモデル作成サービスを利用し、プロジェクトの複雑さに対応するための支援を受ける。

②ソフトウェア等の利用頻度に応じたプランの選択
利用頻度やプロジェクト規模に応じたソフトウェアプランを選び、必要以上の費用を抑える。例えば、従量課金制のプランや、複数のプロジェクトで使えるパッケージプランを検討する。

4.まとめ

大手企業では当たり前にBIM導入が進んでいても、まだまだ多くの中小企業はBIM確認申請に不安をもたれているのではないでしょうか。事前に準備し対策を実施することで、BIM確認申請の負担を軽減し、効率的にプロジェクトを進めることが可能になります。
2025年も近づいていますので、まずはBIMに詳しい企業に相談することも1つの手かと思います。
弊社にもお気軽にお問い合わせください。

それでは次回のブログでお会いしましょう。