Autodesk Construction Cloud(ACC)とは?何ができるかを分かりやすく説明!
こんにちは。
第16回は、「 Autodesk Construction Cloud(ACC)とは?何ができるかを分かりやすく説明!」です。
建設プロジェクトは、多くの関係者が関わる複雑なプロセスで、設計、施工、管理の各段階で円滑な情報共有と正確なデータ管理が求められます。
しかし、従来の方法では、紙ベースの図面や分散したデータによる情報の食い違いが問題となることも少なくありません。
こうした課題を解決するために登場したのが、Autodesk Construction Cloudです。
本記事では、このプラットフォームの概要や主な機能、導入するメリットについて分かりやすく解説します。
是非最後までご覧ください。
Agenda 1. Autodesk Construction Cloud(ACC)とは 2. Autodesk Construction Cloudでできること 3. Autodesk Construction Cloudの代表的な導入企業 4. まとめ |
1. Autodesk Construction Cloud(ACC)とは
Autodesk Construction Cloud(オートデスク・コンストラクション・クラウド)は、建設業界向けに設計されたAutodesk社が運営するクラウドベースの統合プラットフォームです。
設計、施工、管理の各フェーズをシームレスに連携させ、チーム間のコミュニケーションを強化し、プロジェクトの効率と透明性を向上させることを目的としています。
このプラットフォームは、特にBIMとの連携が強みであり、設計から施工、運用までのプロセスをデジタル化することが可能です。
Autodesk Construction Cloudは、以下の4つの主要製品で構成されています。
① Autodesk Build
施工管理向けのツールで、プロジェクトの計画、現場管理、品質管理、安全管理を一元化できます。施工チーム間の連携を強化し、効率的な進捗管理が可能になります。
② Autodesk Takeoff
積算業務を支援するツールで、2D図面と3Dモデルを用いた数量拾い出し(Takeoff)を一元管理できます。手作業による積算ミスを減らし、精度の高い見積もりを作成できます。
③ Autodesk BIM Collaborate
設計・施工チーム間の協力を促進するBIM管理ツールです。設計レビューや調整作業をクラウド上で行い、ミスや手戻りを最小限に抑えます。
④ Autodesk Docs
プロジェクトのすべてのドキュメントを一元管理するクラウドベースのドキュメント管理ツールです。設計図や施工計画書、報告書などをリアルタイムで共有し、関係者全員が常に最新の情報を確認できます。

2.Autodesk Construction Cloudでできること
Autodesk Construction Cloudは、以下のことができます。
① データの一元管理
設計データや施工計画、品質管理データをクラウド上で一元管理できます。これにより、関係者全員が常に最新の情報にアクセス可能となり、情報の食い違いやミスを防ぐことができます。
② コラボレーションの強化
異なる部門や外部パートナーとのリアルタイムな情報共有が可能です。チーム間でのスムーズな連携を実現し、プロジェクト全体の生産性向上に貢献します。
③ 品質・安全管理の強化
施工現場での品質や安全に関するデータをリアルタイムで記録・管理し、問題が発生した場合に迅速に対応できます。
④ BIMデータとの統合
BIMモデルを活用し、設計段階から施工、運用までの一貫したワークフローを構築できます。これにより、施工ミスの削減やコスト管理の最適化が可能になります。
⑤ 分析機能
データ分析を活用し、施工リスクの予測やパフォーマンスの最適化を行うことができます。これにより、プロジェクトの精度向上や無駄の削減が期待できます。
ACCに含まれるBuild、Takeoff、BIM Collaborate、Docsを上手く活用することで、業務効率化が期待できます。

3.Autodesk Construction Cloudの代表的な導入企業
Autodesk Construction Cloud(ACC)は、様々な建設プロジェクトで活用されており、業務の効率化や品質向上に大きく貢献しています。ここでは、実際にACCを導入した企業の取り組みを紹介します。
事例①:清水建設とAutodeskがMOUを締結 – DX推進の取り組み*1
2023年、清水建設とAutodeskはデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのMOU(基本合意書)を締結しました。この提携により、清水建設はAutodesk Construction Cloudを活用し、設計・施工・維持管理のデジタル化を加速させています。
BIMで建設生産プロセスをつなぐ共通データ環境(CDE)「Autodesk Construction Cloud(ACC)」を中心に据えた次世代建築プラットフォームの構築を目指し、ACC上での施工管理の最適化で、建築生産プロセス全体の効率化につなげています。
事例②:ダイダンとAutodeskが戦略的提携を締結 – 設備工事のDX推進*2
ダイダンとAutodeskは2025年2月12日、BIMデータを活用した生産性の更なる向上を目的に、「戦略的提携に関する覚書(MOU)」を締結し、設備工事のデジタル化を加速させています。
AutodeskのBIMソフトウェア「Autodesk Revit」と「Autodesk Construction Cloud(ACC)」をBIMの共通データ環境として採用しました。
*1 参考 Autodesk と清水建設、戦略的連携に関する覚書を締結
*2 参考 BIM データを活用した生産性のさらなる向上を目指し「戦略的提携に関する覚書」(MOU)を締結
4.まとめ
Autodesk Construction Cloudは、建設プロジェクトの効率化、コスト削減、品質向上を実現する強力なプラットフォームです。データを一元管理し、リアルタイムでの情報共有を可能にすることで、関係者全員がスムーズに連携できる環境を提供します。
建設業界におけるDXが進む中で、クラウドを活用したスマートなプロジェクト管理が求められています。Autodesk Construction Cloudを導入することで、より生産性の高いプロジェクト運営が可能になります。
導入を検討されている方は、無料トライアルやデモを活用し、自社の業務にどのように役立つかを確認してみてはいかがでしょうか?
それでは次回のブログでお会いしましょう。

株式会社エヌ・アンド・アイ・システムズの営業女子。前職は金融機関に勤めており、IT業界へ転職。建設業界や製造業界を中心にDXを浸透させるため毎日奮闘中。