BIMの国内普及をめぐる課題
我が国が目指すべき未来社会の姿として内閣府で定義されたSociety5.0(*6)では、SDGsに沿った持続可能な産業化の促進の他、人手不足の解消にDX推進が求められ、AIやIoTなどの先端技術の活用についても言及されています。
街づくりを担う建設業界は、以前から労働力不足と高齢化が深刻さを増しており、安全性の向上や人手不足の解消、熟練技術の継承、生産性向上において、DXに大きな期待が集まっています。生産性向上に向けては、官民一体となって、DXツールとしてのBIM活用の取り組みが進行中です。しかし、BIM導入企業でもDXの取組みは初期段階が半数以上との調査結果が発表されています 。
野原グループ調べのアンケート(https://nohara-inc.co.jp/news/release/5798/)でも、BIMなどのツール・デジタルデータの活用は、ゼネコンでは100%導入済みとなっています。しかし、7割が導入後に課題ありと回答しており、課題内容は「浸透していない」「扱える人材の不足」「部門間の連携」と様々ですが、BIMモデルに基づいた関係者間の情報共有や各プロセスの効率的管理といったBIM本来の特長を活かしきれていないと推測できます。
私たちは、建設DX推進にはBIMなどのデジタル技術導入の他に、建設工程間の断絶解消、DX人材の育成などが必要と考えます。